大学生の時、アパートの隣の部屋の少年が虐待されてるのに遭遇しました。当時は10月だったか11月の深夜…。 私は呑み会帰りでほろ酔い状態。ベランダに煙草を吸いに出てたんです。
ベランダの柵に肘をついてたら、何かが視界の端で動いた気がして、隣のベランダに目を向けていっぺんに酔いが覚めました。隣の部屋の少年が真夜中だというのに裸で体育座りしてるんです。夜目に見ても傷だらけの体。即座に虐待だと分かりました。
一瞬、言葉も出ませんでしたが、防火壁叩き割って隣のベランダに侵入。驚いている少年に自分の上着を着せて、私の部屋に連れていきました。
お腹が減っているようだったので、備蓄用のカップラーメンを食べさせました。すると、程なく眠りについたんですね。
しかし、怒りは収まらず、隣に怒鳴りこもうかと思ったんです。でも、少年は自室に帰れば、また虐待されるんじゃないかと思って思い留まりました。その代わりに警察に連絡を入れました。
事態は(当時にしては)スピード解決しました。どうやらその少年の父親は、私の予想通りの人間のクズ。アル中で粘着質のDV野郎だったんですね。実はその後も色々と揉め事がありましたが、しっかり警察にお引き取り願いました。
ちなみに少年の母親は気の弱そうな、普通の人。正直、一緒に住んでいながら虐待を止められなかった彼女にも腹が立ちますが、迎えに来た時に泣きながら少年を抱き締める様子を見ると、DVの根の深さを感じました。
今では母親と一緒に、都内の実家に引っ越したようです。でも、実は彼とは今でも時々会ってるんです。一時期心因性の病気にかかったりもしたようですが、今は健康を取り戻したようです。
「君をいじめる奴がいたら電話してこい」「この兄ちゃんが絶対守ってやるから」
彼と会う度に「その言葉のおかげで、僕は人間になれたんです」 と言われて、なんか恥ずかしいんですが。