俺の叔父さんは古書集めが趣味で、暇さえあると古本屋巡りに出かけていました。
ある日、叔父さんは、アメリカ人がインディアンと戦ったときの記録を、当時のアメリカ人が日記風に記した古書を見つけたそうです。
オリジナルではなく、複製だったけど、その当時の年代にものには間違いないらしくて、叔父さんは大枚はたいてそれを買いました。そして、その本を自分の部屋の書斎に大事にしまいました。
ところが、その日以来、叔父さんは悪夢を見始めるようになったのです。仕事から帰ってきて自分の部屋に入ると、空気が重く感じられます。
悪夢はほぼ毎日続き、悩んだ叔父さんは知り合いの占い師に、家に来てもらうことにしました。 占い師のおばさんは部屋に入るなり凄い剣幕で怒鳴ったそうです。
「アンタ、何てモン置いてるの!!」
そして、書斎のガラス戸を開け、例のインディアンとの戦いを記した古書を手に取り、こう言いました。
「これ人間の皮膚よ!!皮で作ってるのよ!!表紙!!」
その日のうちに、その本は近所のお寺に預け、供養してもらったそうです。それ以来、部屋の異様な空気も消え、悪夢も止んだと叔父さんは言っていました。
ただ、叔父さんは、話の最後に俺にこう言ったのです。
「叔父さんが買ったのは1巻で、あの本の続き、まだ古本屋に4冊あるんだよなぁ…」