今日、柿泥棒が現れて撃退したので思い出した昔話。
うちの柿はおじいちゃんが丹精込めて育てた木で、すごく甘いので毎年ご近所におすそ分けして喜ばれている。
おじいちゃんが亡くなった後は、旦那がおじいちゃんに教わった通りに世話を続けて、出来栄えは維持できてました。
その年もいっぱい実って、味も申し分なく、次の休みは一斉収穫だ~となったとある日のこと。
深夜に「あぎゃ~~~!!」という叫び声と、バキバキバキバキドッスン!という音が響き、旦那も私もその音にたたき起こされました。
私たちだけでなくご近所さんも次々に電気がついていき、何事かと窓から顔を出してきた。
庭を見るとでっぷりした豚が一頭転がってた……ように見えたけど、全然知らない太ましい女性が木の下でノビていました。
柿の木にはほとんど実が残ってないことと、袋から散乱してた柿という状況から柿泥棒と思い、すぐさま旦那が出て行き、私はその間に警察に連絡していると、旦那が血相変えて「急いで救急車呼べ!!」というので、警察に「泥棒が怪我してるようなので急いで救急車もお願いします」と連絡。外ではご近所さんが騒ぎ出していました。
電話が終わり私も野次馬根性から見に行こうとしたら、旦那から
「おまえは見るな!」
と言われ玄関を閉められてしまいました。
上から見ても木の枝やら人垣が邪魔で、よく見えません。その後、到着した警察と救急車で色々処理をしてもらえたのですが、私は結局現場を見せてもらうことはできませんでした。
翌朝庭に出ると、見たこと無いはしごと見たこと無い車、そしてほとんど実の無い柿の木。
枝が上から下まで折れてる部分があり、柿泥棒はおよそ4mほど登ったところから落ちたみたいで、その下の部分は土が掘り返されて新しい土になってました。これはたぶん旦那の仕事で、泥が落ちた場所を整えてたみたい。
現場で対応してくれたご近所さんたちにお話を聞くと、旦那に口止めをお願いされていたらしく詳細は教えてくれなかったのだけど、
「泥棒は問題ないと思うけど……その泥棒の子供が下敷きになってて……」
泥棒ママが幼稚園くらいの男の子の上に落ちてしまい、たぶん子供は助からないだろうという状態だったそう。
その後の対応も全部旦那がやってくれていますが、胎教に悪いからと私には詳細は知らせてくれませんでした。教えてくれたのは、
・犯人はうちにはまったく関係ない、遠方から来た知らない人。
・ご近所さんにおすそ分けした柿がどう流れたのか犯人の口に入り、出元がうちの柿と知って盗んで商売しようと企てたらしい。
・というか、そうやって盗んだものを無許可路上販売して稼いでいた人らしい。
・泥棒が柿の実を落として子供が拾って車に持っていくという連携プレイだったが、泥棒が木の上でバランスを崩して拾ってる子どもの上に転落した。
ということだけ。娘には「柿は泥棒さんに盗まれた」ということだけ伝えて、残った少ない柿で我慢してもらうことになりました。
いつもおすそ分けしてたご近所さんも「こういう状況なら仕方ないからね、来年を楽しみにしてます」とこちらが謝る前に皆さんに言っていただけました。
柿は泥棒の車に運び込まれてたそうですが、証拠物件だからと車ごと警察に持っていかれ、結局返却されたのが二週間ほど経過してからで、ほとんどがダメになっていました。
携帯とか財布とか生活に必要なものは先に返却されるみたいに聞いてたのですが、柿は返してくれないとか不公平です。
その後は、ここで言われるような家に直接電話や親族の突撃等はなく静かなものでした。特に慰謝料とかはもらわなかったのですが、新しい柿の木の苗をもらいました。
傷ついた柿の木は1/3程の枝を落としたりしたストレスのためか、翌年はほとんど実をなさなかったのですが、今は前と同じ甘い実をつけています。新しい柿の木はまだ実をつけません。
子供については口をつぐんでしまっていたので、きっと助からなかったんでしょう。犯人だった母親は刑務所だか精神病院だかに入ったと聞きました。泥棒するなら一人でやれと、あまつさえ失敗して子供を巻き添えにするとかふざけるな!といいたいですね。