大学の飲み会の帰り、私と女友だちの二人で夜道を歩いていた時のことです。女友だちは足もとがふらついていて、仕方が無いので公園で休憩することにしました。
そこに、どこからともなくオタクっぽい変な男が。周りには他に人が見当たりません。男はにやにやしながら近付いてきて、
「大丈夫~?運んであげるよ?」
と私たちの体にやたらと触れてきます。「触らないで」と言ってもお構いなし。「大声を出すわよ」と言えば「痛い思いしたくないっしょ~?」と脅してくる始末。
友人は酔いもあってか、足腰立たない状態で震えながら私にしがみつくだけ。私もどうしようかと内心震えていました。その時です。
「ポォピーーーーーーーーーーー!!!!」
という叫び声が深夜の公園に響き渡りました。びっくりして辺りを見回すと、公園の反対側のやや離れた入口の辺りに人影が見えました。
見ると、上半身裸の男が手を真上に上げ、緩やかなテンポでくねくねと揺れているではありませんか。しかもそれが二人いて、くねくねしながらだんだんとこっちに迫ってきます。
あからさまにビビるオタクと怖くて動けない私と友人。
くねくねは着実にこちらに迫り、距離を詰めてきます。
と、くねくねがいきなり腕から発火。もう一方はさらに俊敏にくねくねし、ぶっこわれたピエロの様な盛大な笑い声を上げながら猛然と迫ってきます。
オタクはビビって逃げだし、私たちだけが取り残されました。
すると、発火してない方のくねくねが私たちの前でピタッと止まり、
「大丈夫? 危ないからもう帰りなよ」
と一瞬だけ人間に戻りニコッと笑ったのです。
それから、またクネクネしながら、妖怪は発火くねくねと共にオタクを追って行きました。
友人はその事をよく覚えていなくて夢か何かだと思っていたそうです。その後、昼間にその近辺を歩いていたら燃え尽きた発煙筒が2本、道端の土手に突き刺さっていました。