私　２０代後半独身
A子　私の同僚　２０代後半独身
B子　私の同僚　２０代後半既婚

先生　３０代前半
先生嫁　パート主婦　３０代前半

年の近い会社の同僚三人（私A子B子）で、ある習い事を始めた。昼休みが二時間近くあるので、それを利用して週一で通ってた。場所は先生のご自宅（２LDKのマンション）。

その習い事は年配の方が多くて我々は最年少。歓迎してもらえた。自宅に入るという事に緊張したけど、私達が行く時間帯は私達と先生の４人しかいないので、ある意味気楽だった。
先生嫁はいたりいなかったり。いても出てこないのでどんな人か分からなかった。

一ヶ月くらい経った頃、先生のお部屋が様変わりしてきた。今までは普通のシンプルな部屋だったのが、ピンクフリフリっぽく。更に先生と嫁の写真がどんどん増えていく。
結婚写真などもうあふれんばかりあちこちに。なんか香水の匂いもして乙女仕様。先生は気まずそうだったけど、まあ趣味の問題だし気にしてなかった。

三ヶ月くらい経った頃、B子が辞めた。既婚な事もあり、他の年配レッスン生と一番親しくしていたので先生やお稽古の情報も持っていた。
寂しかったし引き止めたが、なんか口を濁しながら、ごめんね……としか言ってくれなかった。

更に一ヶ月経った頃には、もう先生のマンションは異常になってた。ここは何なんだ！！ってくらい「女・います」な仕様。写真の数も内容もエスカレートする一方。
レッスンするテーブルの真ん中にA4サイズの誓いのキス写真。邪魔……。多分嫁さんからの牽制なんだろうけど、こっちはそんな気更々無いって。

そして私とA子が行く時間は必ず先生嫁が家にいるようになった。しかし出ては来ない。別の部屋やトイレ、キッチンなんかでカサコソ音がしているのみ。
たまに出くわしそうになるとサッと隠れる。一体なんなんだ。物凄く気味が悪い。写真を見る限り、ちょい地味な普通の女性なんだけど。

間もなくA子も辞めた。さすがに止めなかった。私も早く辞めたかったけど、ちょうど取りかかった課題があったのでそれが終わったら辞めると先生に話した。先生は謝ってた。

最後のレッスンの日、先生と雑談していたらヌーっとドアが開いてカメラを持った腕だけ出てきた。で、こっちをパシャパシャ撮影。
撮り終わったらまたヌーッと引っ込んだ。顔や姿は見えず。さすがに怖すぎてすぐに帰った。その話をB子にすると、考え込んでいた。

しばらくして私の家に「不倫の慰謝料」についての内容証明が届いた。実家や会社にも来た。微妙な嫌がらせも始まった。差出人はもちろん先生嫁。
あほらしい、と彼氏や親と一緒に相手弁護士が待つ話し合いの場へ。しかし先生嫁はいない。先生もいない。淡々と弁護士と話す。

私的にはすぐに疑いは晴れると思ってたけど、これが難しい。どうやら先生が浮気していたのはガチらしく、その証拠はある。
だが相手が私じゃないって証明するのがどうにも上手くいかない。しかも肝心の先生が否定しないというではないか。んなアホな。

幸い身内は信じてくれたので精神的にどうにか保てた。会社も「まさかねえ」って感じだったけど、段々雲行きが怪しくなってきた。
どうやらA子とB子が周りに何か吹き込んでいるらしい。あの嫁がおかしいのは君達も知ってるはずでしょ！ってことでまずB子へ話を聞きに。
「私には本当の事を言ってね」と前置きされた上で以下B子の弁。

「先生嫁は確かにおかしかった。ただ、自宅に年頃の女性が頻繁に出入りして夫と長時間過ごしているのが嫌だという奥さんの気持ちは私にも分かる。
だから他のレッスン生の人達に、最近の先生の様子をそれとなく聞いてみた。

すると、急な稽古休みが多くなった、と。時間変更とか。詳しく調べてみると、先生が変更してるのは先生嫁がお仕事で家にいない土日昼間。
それ以来気を付けてみてみたら、先生嫁、いつもじーっとこっちを睨んでた。まるで探りを入れるように私達を見て、時には後を付いて来てる事もあった。

私も先生の態度で、確実に誰かに手を出してると思った。A子が辞めてるのにあなたは残って先生と二人きりでレッスン続けてるから、
あなただったのかなと思った。でも私は何の噂も広めてないよ。」

そうですか。もっと早く言ってくれよ。どっちも疑わしかったから言えなかったんだろうけどさ。で、次にA子に突撃。はい、こいつが犯人でした。


噂を広めていたのがA子。その噂が詳細すぎて結果的に自爆。
私を浮気相手に仕立てる為にいろんな人にあれこれ話してたらしいんだけど、ある天然くんに、なんでそんな事まで知ってるの？相談でも受けてたの？じゃあ、A子さんも同罪なんじゃない？とズバリ言われて、

A「いや、相談なんてされてないよ、全然知らなかったし！」
天「いやいや、めっちゃ知ってるじゃん。どこ情報なのそれ？」
A「偶然見ちゃってさ～私も気不味くて……辛かったぁ」
天「自宅でそういう行為をしてるのを偶然見たってどういう事？」
A「……」　

その後小一時間に渡り大自爆大会だったそうだ。本人は最後まで誤解だよぉーと言っていたけど、幸いと言うか噂を広めすぎた自業自得で証言者が多く、すぐに私の耳に入り、その場で先生嫁の弁護士へ連絡。

その日のうちに弁護士・先生・私・私彼・A子・B子で話し合い。どうやら先生とA子は初回でお互いラブラブアイコンタクト。
その後……。二人はどうにか今後も付き合い続けたくて、後先考えずに「そうだ、あの子に罪なすり付けちゃえ☆次からはバレないように気を付けようネッ☆」ってなったらしい。

そりゃ、私とA子は同じ仕事で同じ年、見た目もちょっと似てて家も近く趣味や友人関係もだぶってる。すり替えるには打ってつけだったでしょうよ。
道理で中々「私じゃない」証拠やアリバイが出てこなかった訳だ。行動範囲がそっくりだから。

なんでまた先生もそんな馬鹿な方法に賛成したんだよって思うけど、「A子さんが大事なので」だって。馬鹿だったんだな先生。私らはそれでお役御免。
でも名誉毀損で訴えるよ～、と二人に宣告（私の彼が弁護士）。なんか喚いていたけどどうでもいい。

それより結局ミザリーな先生嫁は最後まで出てこなかった。
荷物も持って部屋を出ようとした頃、弁護士がアホ二人に何か聞いてて、二人「……いえ、そういう行為はだいたい(先生の)自宅でしていました」と言った瞬間、隣の部屋のドアを蹴破る勢いで女性が飛び出してきた。
きちんとした身なりで白いシャツを着て髪をぴっちり撫で付けて戦前の女教師みたい。その人が無言で瞬きもせず表情も変えず、素手でアホ二人を殴り続けていた。

二人とも最初の顔面パンチで動けなくなり、直後先生にはチン蹴り。先生は悶絶。次にA子を引き倒して顔の上に跨がり腹をパンチし続けた。ここまで三分も無い。

ハッとして慌てて男性陣が止めたけど、私はちょっと漏らしちゃった（笑）。

以上が私の修羅場です。みんなも不倫冤罪には気をつけて下さいね。結構やっかいですよ。